2012年7月24日(火)
クアトロテストについて

最近、石田純一、理子夫妻がクアトロテストを行い82分の1の確率でダウン症の可能性があるという結果がでて話題になっています。クアトロテストは、母体血清中の4つのマーカー(α-フェトプロテイン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、非抱合型エストリオール、インヒビンA)を測定して、胎児が対象疾患に罹患している確率を算出するスクリーニング検査です。羊水検査や、より正確な情報を得るための画像診断の必要性を考慮する材料になります。対象疾患はダウン症候群[21トリソミー]、18トリソミー、開放性神経管奇形です。クアトロテストは、胎児が対象疾患に罹患している確率を算出するスクリーニング検査です。スクリーニング陽性であっても、生まれる児が対象疾患に必ず罹患しているという意味ではなく、スクリーニング陰性であっても、対象疾患に罹患した児が絶対に生まれないという意味ではありません。胎児がダウン症候群および18トリソミーであるかどうかについて、より正確な情報を得るためには、羊水染色体検査が必要です。しかし、石田純一、理子夫妻は羊水染色体検査を受けないことに決めたそうです。クアトロテストはあくまでスクリーニングテストなので陽性と出た以上は、羊水染色体検査を受けないとクアトロテストを受けた意味がないと僕は思います。確率からみると、染色体異常が無い可能性も十分あると考えられるので、このまま不安な思いを持ったまま、分娩予定日を迎えるのは、胎教に悪いと思われます。僕は、クアトロテストを受ける場合は、ちゃんとした目的を持って受けるべきで、ただ、高齢出産だからとかで、受けるべきでは無いと思います。

2012年6月 5日(火)
風疹が流行しています

風疹自体は恐ろしい病気ではありませんが、妊娠中に妊婦さんが風疹にかかるとお腹の赤ちゃんに重い障害が出ることがあります。[心疾患、難聴、脳障害、白内障など)妊娠中に風疹に罹った場合、赤ちゃんに障害が出る確率は妊娠1カ月で50%、2か月で35%、す。平成7年以前に中学校を卒業した女性は、特に理由がない限り、中学校三年生の時に予防接種をしています。しかし、昭和54年4月2日~昭和62年10月1日に生まれた方、すなわち、平成7年以降に中学校を卒業された方は風疹抗体が無い可能性があります。今から妊娠を希望されている女性は、風疹抗体の検査を受けて、抗体が無かったら風疹ワクチンの接種を受けてください。また、抗体はだんだん少なくなってきます。上のお子さんの時に風疹の抗体が少ないと言われた方も、抗体検査を受けてください。風疹の抗体価の標準は8倍以上、256倍以下というのが正常と考えられています。8倍以下では風疹抗体を持っていない、すなわち風疹に感染する恐れがあります。256倍以上では最近風疹に感染した可能性があります。この場合IgM風疹抗体を検査することで最近風疹にかかったかどうかがわかります。母として生まれてくる赤ちゃんの一生に責任を持つために、風疹抗体の検査を受けることをお勧めします。

2012年2月16日(木)
卵子も老化します

原始卵胞は日々減っていき、閉経(平均閉経年齢51才)が近くなると1000個ほどが卵巣に残っている程度だと言われています。ただ、こう言うと、1000個も残っているのだから閉経間際でも妊娠できるのではと感じられるかもしれません。
実際は閉経の10年程前から妊娠は難しくなるのが現状で、40才くらいになると、規則的に月経があっても実は排卵はしていないことがあり、45才くらいになると排卵はほとんどみられないと言います。これは卵巣の働きが低下したために起こることで、次第に月経周期にも乱れが生じてきます。そのため閉経間近に卵巣に残る1000個程度の卵胞のほとんどが育つことはありません。
また、卵子にも衰えが目立つようになり、排卵しても受精卵にならなかったり、受精卵になっても細胞分裂がうまくいかずに染色体異常となって流産してしまったりと、年齢を重ねるにつれて、妊娠は難しくなっていきます。これは卵子の老化が原因だと言われています。
ですから、「生理があれば何才になっても妊娠できる」と思わず、早めに妊娠を希望、計画することを勧めます。


卵子の数を試算してみましょう!


ここまで原始卵胞が日々、減っていることを説明してきました。
となると、気になるのが、自分の原始卵胞の数ではないでしょうか?
ここで、あなたの原始卵胞があとどれぐらい残っているのかを試算してみましょう。

※12才で30万個の原始卵胞が残っていると仮定。1周期で1000個の原始卵胞がなくなっているとした場合


 (現在の年齢-12)×12(周期)×1000(個)=A個
  30万個-A個=残りの卵胞数


例えば35才の場合、
 (35-12)×12×1000=276,000個
  30万個-276,000個=24,000個
つまり、35才で卵巣には24,000個が残っています。
その1年後、5年後はいかがでしょう?


※上記の試算式は、あくまでも参考として計算したもので実際とは異なります。
この説からの単純計算では、37才で卵巣のなかの卵胞数はゼロとなります。
これは、現実的に妊娠が難しくなってくる(妊娠するケースが少なくなる)年齢を垣間見せています。



2012年1月25日(水)
妊娠適齢期について

あなたは妊娠適齢期を知っていますか?
現在、日本女性の平均寿命は世界一に延び、85才を超えています。
でも、ほとんど変わっていないのが妊娠が可能な時期です。妊娠と最も関わりが深いのは卵巣の機能です。
特に、卵巣から分泌される女性ホルモンは30代半ば頃から現象に転じ、40代に入ると急激に減少します。
これにより卵巣の活動は鈍くなるのです。また、卵の数も年齢と共に減少していきます。
産まれた時には卵の数は約200万個あります。思春期の頃[12~17才]では20万個です。
これが閉経期[51才]になると1000個に減少します。
そして、1日に30~40個のスピードで減少します。
しかし、妊娠適齢期、言い換えると卵巣機能低下を遅らせる方法はいくつか考えられています。
この続きはまた次回にしたいと思います。

2011年10月12日(水)
危険な子宮頸がん検査の自己採取法

最近、子宮頸がん検査を自己採取法で行った患者さんが診察にみえました。
自己採取法をした理由で一番多いのは、恥ずかしいというのがほとんどでした。
しかし、子宮頸がん検査の自己採取法は不正確で危険です。
子宮頸がん検査は子宮頸部から細胞を採らないと正確な診断はできません。
自己採取では手探りで子宮頸部の細胞を採ることは絶対に不可能です。
自己採取で採っているのは膣内の細胞です。膣内の細胞では初期の子宮頸がんや子宮頸部の異型細胞をみつけることは不可能です。
本来異常があって100%陽性になるべきなのに自己採取法では陽性になる率は0~40%とされています。
とくにはっきり子宮頸がんと判明している場合でも30%程度しか陽性になっていません。
医師が採取する方法では陽性になる率は98%前後でした。
自己採取法で異常がないと信じることは危険です。
恥ずかしがらずに子宮頸がんの検査は必ず病院で受けてください。